インタビュー

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今も昔も親しみやすさを重視。電子カルテの時代になっても患者さまのお顔をしっかりと見て診察しています。

まんべんなく病気を診たいという思いから、内科の医師になりました。今は消化器疾患の検査・治療に力を入れ、日々診察にあたっています。時代は移り変わっても、変わらぬ「親しみやすさ」を大切にしています。

内科の医師になられた理由、胃腸に特化して診療を始められた理由を教えてください。

全身の病気をまんべんなく診たいという思いから、内科を選択しました。学生時代は整形外科や心臓外科にも惹かれましたが、これらの科では専門とする部位の疾患しか診られないからです。心臓外科への興味から循環器内科も考えましたが、現院長の父からの影響や先輩からの勧誘もあり、内科の中でも消化器に落ち着きました。

大学では肝臓の研究グループにいたのですが、昔に比べると肝炎、特にC型のウィルス性肝炎は、血液製剤からの感染予防が進んだことで患者さまの数がかなり減っています。そういうわけで、地域のニーズを考えると胃腸に特化したほうが皆さまのお役に立てると考えたことから今にいたります。

消化器疾患の予防として、日常生活のなかで気をつけたほうがいいことはありますか?

まずは食生活ですね。胃への刺激が強い塩分や香辛料、そして脂が多いものはなるべく控えたほうがいいと思います。胃の働き自体が悪くなったり、胃炎がひどくなったり、時には逆流したりすることもあるからです。体質にもよりますが、下痢をしやすくなることもあります。

だからといってすぐに胃潰瘍などになるわけではありませんが、それを長い間積み重ねることで、がんのリスクが高まることは考えられます。食事としてのおすすめは和食です。ただ、和食は塩分が多い傾向にありますので、なるべく薄味を意識するといいと思います。

診療する上で心がけていることは何ですか?

診察中は、意識して患者さまの顔を見てお話をするようにしています。電子カルテを使っていると、画面とにらめっこしたままで診察してしまいがちなので、電子カルテを導入した際に、それだけはしないようにと心に決めました。それに、顔を見ることは視診にもなりますから、患者さまの疾患や状態を見極める手助けにもなります。

また、なるべく患者さまにご理解いただけるような説明を心がけています。病気の説明は専門的に話すと難しくなりますから、何かに例えてみたり、一般的な事例にあてはめたりして説明しています。

開業から40年以上を経て、変わった点・変わらない点を教えてください。

大きく変わった点は診察室のドアですね。以前、父が一人で診療していた時代は診察室のドアがなく、とても大らかでした。待合室から診察室が見えていても、患者さまは気にすることなく、まるで皆が知り合いとでもいうような感じだったのです。とりたてて具合が悪くなくても「疲れがひどいからなんとかして」という感じで気軽にいらしていました。

もちろん今はドアをつけ、プライバシーは遵守しています。それでも、親しみのある雰囲気は今も変わらずありますし、これからも大切にしていきたいと思っています。